【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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◆A81ULt4CV6
[sage saga]
2018/07/29(日) 03:21:21.38 ID:EQtXuMvN0
自分の父親が、なにやらとんでもない事になっている状況を、『それどころ』と言い切った紅莉栖。思わず耳を疑わずにはいられない。
「いや、しかし……」
「私は……大丈夫だから」
「紅莉栖、お前、何を言って──」
俺は出かかった言葉を飲み下す。
俺の腕を掴んだ華奢な手の振るえが、うつむけた瞳の色が、あまりにも痛々しく俺の目に映る。
とてもではないが、『大丈夫』といった紅莉栖の言葉に、信憑性の欠片も見つけることができなかった。
底の見えない不安を感じる。
「おい、何を考えてる、紅莉栖」
俺は、紅莉栖の両肩を強く掴むと、正面から紅莉栖の顔を見据えた。
「お前、何か変な事に巻き込まれているんじゃないだろうな?」
真っ直ぐと紅莉栖を見る。微かな表情の変化も見落とすまいと、瞬きもせずに視線を向ける。
そんな俺を前に、紅莉栖は視線をそら──
「岡部。一つだけ、教えてほしい」
逸らしかかった視線が戻り、紅莉栖の瞳に俺の表情が映り込んだ。
その、強い意志を感じさせる瞳の光に、そこに映った、俺自身の悲壮感溢れる顔に、鋭く息を飲む。
「……質問しているのは、俺だ」
「ダメ。その質問には、答えられない。だけど、答えて欲しい。お願いだから」
そこには、これまでの歯切れの悪い紅莉栖の姿は、微塵も見当たらなかった。代わりに、いつも通り──いや、いつも以上に強い光を宿した、紅莉栖の目があった。
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