【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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476:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/28(土) 02:01:32.64 ID:W8gvA/tC0
「……!?」

 不意に恐ろしい想像が頭をもたげる。一気に全身の血が落下した。
 
「く、紅莉栖は!?」

 慌てて白衣のポケットから、愛用の携帯電話を乱暴に引き抜く。そして、手早く操作をこなし、電話を耳元へとあてがう。

 静かに鼓膜を打つ、コール音。たった数回のその呼び出し時間が、無性に永く感じられた。

『でろ、でろ!』

 早鐘のように打つ心臓に、全身から血液が噴き出しそうな感覚を覚える。そして数度の呼び出しを経て、電話がつながる。

「紅莉栖! 無事か!?」

 一も二もなく、叫ぶ。

「お、岡部? 何? 無事かって、どういう事?」

 受話器の向こうから、紅莉栖の戸惑った声が聞こえ、それに少しだけ安堵感を得る。手の内を離れていた冷静な思考が、やっと手元へ戻ってくる。

「無事……なんだな?」

「いや、別に無事だけど……」

「そうか。……紅莉栖、一つ聞きたい」

「……なに?」

「これからお前は、ラボへ来る。そして、俺の話を聞く。その予定でいいんだよな?」

「そうだけど……どうした? 何があった?」

 受話器の向こうから、微かに不安げな紅莉栖の言葉が響いた。俺はその紅莉栖の問いかけに、曖昧な返事を返す。

「いや、それならいいんだ」

「よくないだろ。何かあったんだな?」

「いや、大した事ではない。気にするな」

 俺は途轍もなく大きな嘘をつき、問い詰めようと口調を荒げる紅莉栖の追撃をかわした。

「ラボに……行ってもいいの?」

 どこか、こちら側を探るような口調で、紅莉栖の声が聞こえた。俺は平静を保ったまま、言葉を返す。

「当たり前だ。待っているぞ」



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