【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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475:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/28(土) 02:00:42.47 ID:W8gvA/tC0
 大地が揺れる。
 視界が歪む。
 意識が遠のいていく。

 あまりに出し抜けで、何がおきているのか分からない。だが確かに、何かが起こり始めていた。

 最初に頭に浮かんできたのは、『酸欠』だった。

 似ているのだ。一週間前、ラジカンの屋上に飛び込んだ時に感じた、あの抗いようのない感覚に。そして、その感覚は『酸欠』と同時に、あの──

『おい……冗談だろ?』

 混乱した俺の思考は、歯車を失った機械のように、空回りを始める。そして、そんな状態でも、これが『酸欠』でないことだけは、不思議と確証が持てた。

 だからこそ、背筋が凍る。理解など、できるわけがなかった。

 だが、そんな理解できない俺など置いてきぼりにして、視界の歪みは進んでいく。そして──

「ぐぅぅぅぅ!?」

 有無を言わさない強烈な圧力に、大きな唸り声を上げて目を閉じ、地にヒザをつく。

 次の瞬間、これまで押し寄せていた何かが、まるでそれ自体が嘘だったかのように、消えていた。

『同じ……だ……』

 俺は目を開けることができず、恐怖に駆られて、鈍りきった思考を無理やり回す。

『ありえるわけがない。もう、この世界には、電話レンジ(仮)も、タイムリープマシンも存在していないのだ。だからこそ、ありえない。矛盾している。こんな事、理に適っていない』

 だがしかし、先刻感じたあの感覚に、俺はどうしようもない程の身に覚えがあった。だから、その感覚が『あれ』以外の何かであった──と言う解答を渇望する。

 ゆっくりと、閉じていたまぶたを、押し開く。視界にはいる景色を確認する。その光景に誤差を感じないか、識別する。

『特に、際立った変化は……』

 秋葉原の街はある。夕暮れにそまる街を行きかう人々。その全てを記憶しているわけではないが、しかしそれでも、目立った違いは感じられない。

 萌え文化を踏襲してきた歴史。それを感じさせる町並み。電気量販店やアニメ関連の書店にグッズ販売店、それ以外にも色々と、様々な文化が入り乱れる風景。そんな、ある種独特の町並みは、未だに健在だ。

 だが、それでも安心感は得られない。

『何か、俺の知らないところで?』

 どうしても、その恐怖心が拭えない。なにせ俺は、この感覚を切欠に、あまりにも多くの苦悩を、自分自身と大切な存在たちに──



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