8: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/06/22(金) 21:18:18.58 ID:wWXdAL2J0
デビューは成功して、お金もずいぶん稼いだけれど、私はずっとプロデューサーさんを困らせてばかりだった。
お仕事が、お仕事の方からやってくるようになっても私はプロデューサーさんに手加減をしなかった。
手のかからない、どうでもいい大人になんてなりなくたかったから。
ある日、私はいつものように彼に意地悪をした。
「よその女には愛想よくするのね」
他のアイドルと楽しげに話しているのが、ちょっぴり気に入らなかったの。
彼は速水奏のプロデューサーなのに。私が思い通りしていいひとはプロデューサーさんだけなのに。
「私にも、あんなふうにしてよ」
その頃の彼は私の意地悪に慣れてしまって、“ああ”とか“うん”とか、適当な返事をして、パソコンから目線を外してくれない。
私はそれがつまらなくて、彼の頭を両腕で抱えて、胸を押し当てた。
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