99: ◆KWjQNDTan2[saga]
2018/06/28(木) 19:27:46.31 ID:F3pd5Vcz0
あなた「あ、そうだ。羽沢先輩、今ってお時間ありますか?」
つぐみ「え?」
あなた(と、羽沢先輩は壁に付けられた時計に目をやる。釣られて俺も時計を見る)
あなた(時刻は19時を少し過ぎたところ。流石に一ヵ月もバイトをしていると、この時間はお店が忙しくないことは分かっていた)
あなた(ただ、先輩には先輩の用事があるだろう。もし何かやることがあるなら、俺の相談は後回しにしよう)
つぐみ「……うん、大丈夫だよ」
あなた(先輩はそう言ってニコリと微笑む。それにホッと胸を撫でおろしたい気持ちになった)
あなた「そうしたら、手前勝手なことだとは思うんですが、少し相談に乗って頂けませんか?」
つぐみ「相談?」
あなた「はい。羽沢先輩を人生の先輩と見込んで、聞いてもらいたい話があるんです」
つぐみ「じ、人生の先輩として……そんなに重大な相談が……」
あなた(俺の言葉を聞いた先輩は、居住まいを正し、コホンと1つ咳ばらいをする)
つぐみ「その、私で答えられることかは分からないけど、頑張って聞くよ」
あなた「ありがとうございます!」
つぐみ「う、うん。それで、どんな悩みが……?」
あなた「はい。実は、俺……」
つぐみ「…………」
あなた「自分の中にある気持ちの名前が分からないんです」
つぐみ「気持ちの名前が分からない?」
あなた「はい。得体の知れない気持ちがあって、これは一体何だろうと考えてしまうんです」
つぐみ「……もしかしてそれ、巴ちゃん絡み?」
あなた「!? 羽沢先輩、もしかしてエスパーですか!?」
つぐみ「ち、違うよ? ただ、なんとなくそうなんじゃないかなって」
あなた(口にしようと思っていたことを見透かされて驚いてしまう。羽沢先輩はそんな俺を見て少しホッとした顔をしていた)
つぐみ「でも、よかった。生活に行き詰ったとか、そういう重い話かと思っちゃったよ」
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