九頭竜八一「強くなる秘訣が知りたいですか?」空銀子「知りたい」
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3:名無しNIPPER[sage]
2018/06/12(火) 21:00:41.86 ID:DuefMiIs0
ドンッ!と、つま先でドアを蹴る。

八一「姉弟子、お疲れ様でした!」

対局を終えた銀子は、帰り道に関西将棋会館のすぐ近くにある弟弟子の自宅に立ち寄った。
竜王の癖に、しけたアパートである。
足でノックした姉弟子を、八一は迎え入れた。

八一「何か食べますか? と言っても、カップ麺くらいしかありませんけど」

基本的に八一は対局結果を聞かない。
いつも一足先に帰って銀子を待っていた。
竜王である彼には、わかっているのだ。
あの局面から立て直すのは不可能であると。

銀子「八一」

八一「何ですか?」

銀子「どうしたら強くなれるの?」

銀子は今日も負けた。
散々粘ったが、勝てなかった。
どうして勝てないのか、理由はわかっている。
自分が将棋星人ではないからだ。
しかし、たとえそうだとしても強くなりたい。

故に、銀子は決まって同じ質問をする。
どうしたら強くなれるのか。
その難問に、八一は困った顔で悩む素振り。

16歳で竜王となった彼には愚問だろう。
どうしてもこうしてもないのだ。
ただ、強くなっていった。それだけだ。

例えば、アマ初段が壁にぶつかったとする。
しかし、その壁を破る方法を、彼は知らない。
何故ならば、壁にぶつかった経験がないから。

無論、彼とてスランプは経験している。
竜王になってから連敗を重ねて、落ち込んだ。
しかし、それは更に強くなる為の布石だった。


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