九頭竜八一「強くなる秘訣が知りたいですか?」空銀子「知りたい」
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4:名無しNIPPER[sage]
2018/06/12(火) 21:07:24.43 ID:DuefMiIs0
改めて弟弟子の顔をマジマジと見る。
自分よりも2つ年上の男の子。
容姿は普通。良くも悪くもない。
銀子の質問に悩む彼は、すこし間抜けだ。
先程対局室へ訪れた際に発していた強者特有のオーラは微塵も感じられない。ほっとする。

いつもあんな感じでは、困ってしまう。

八一だけでなく、タイトルホルダーやA級棋士、そして一部のB級棋士は強いオーラを発する。
研究相手の生石充玉将や、於鬼頭曜帝位。
そして現在、名人、王座、盤王、棋帝の4冠を保持する『名人』。彼らのオーラは凄まじい。
もちろん、プロ棋士ならばそれぞれ特有の威圧感を発するものだが、長らく師匠である清滝鋼介の元で内弟子として暮らしていたこともあり、通常のプレッシャーには慣れていた。
しかし、上記のトッププロが持つオーラは、桁違いである。完全に人外の領域だ。

すれ違っただけで、背筋が凍る。
対局前に集中している時などは、特に。
すれ違いざまに斬られたのではと錯覚する。

八一に関しては、竜王になってから連敗を重ねたこともあり、これまではそれほど強者のオーラは感じられなかった。
しかし、名人に勝利してから彼は変わった。
周囲が彼を見る目も、変わった。
今となってはもう、遥か雲の上の存在だ。
決して届かぬ、将棋の星の王子様。
それが歯痒くて、口惜しくて、切ない。

だから銀子は、今の八一の方が、好きだ。


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