渋谷凛「梅雨のおかげ」
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11: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:54:59.98 ID:m7wvDgMq0



忙しなく働くワイパーと、その仕事を無に帰していく雨。

そんないたちごっこを眺めているうちに、家が近づいてくる。

「そういえば」

私の家の一つ手前の交差点、その信号待ちで、プロデューサーが思い出したように口を開いた。

「さっき、梅雨が嫌いって言っただろ?」

「うん」

「よくよく考えてみたら、好きなとこもあるかもしれないなぁ、と思ったんだけどさ」

「へぇ」

「どんなとこが好きか、聞きたい?」

プロデューサーは悪戯っぽく笑って言う。

視界の端で、歩行者用信号が点滅していた。



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