13: ◆a/VLka4bp3Eo
2018/06/10(日) 23:58:09.38 ID:ci7A34oE0
765プロ社長、高木順二郎の突然のスカウトでのプロデューサーとなり。
さらには同じく高木社長の思いつきで52人のアイドルの面倒を見る羽目となった男である。
彼の青春はまさにアイドルたちと共にあったと言っていい。
情熱と体力と根性と命と魂を片っ端から窯に投げ込んで、出来た何かを全てアイドルに注ぎ込んできたのである。
そりゃあ、必死こいて面倒を見てきた子供たちが、
『プロデューサーは仕事しすぎです!たまの週末ぐらい休みましょう!
そうだ、お菓子作っていきますから、劇場の仮眠室でパーティしましょう!パーティ!』
『わっほーい!じゃあ私は料理をつくってきます!』
『なんで突然、じゃないです。プロデューサーにみんな感謝してるんですよ』
そんなことを言ってねぎらってくれるなんて言い始めたら、そりゃ孫になつかれる老人の境地にも至ろうというものである。
まあ、週末はいつも酒を飲んで前後不覚になっている音無小鳥やら馬場このみやら、どっかへ消えていく三浦あずさやら飛んでいく北上麗花の世話を見ていた彼でもある。
たまたま大人組は次の日が仕事で、たまたま音無小鳥は早く帰らなければならないとかで、珍しく飲み会の予定もない、そんな週末。
酔っ払いたちの暴れっぷりから解放される、というのも穏やかな心持ちでいられる一因ではあった。
「いやあ、悪いなあ」
とそんな言葉を繰り返し、にこやかに箸を進めていく。
感動と穏やかな気持ちと、それら二つに包まれながら、彼はこう思っていた。
―――ああ、プロデューサーをやっていてよかったなあ。
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