12: ◆a/VLka4bp3Eo
2018/06/10(日) 23:57:06.17 ID:ci7A34oE0
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住所は別のところにあるのだが、件の765プロプロデューサーはほぼ毎日劇場内の一角にある仮眠室の一つに寝泊まりしていた。
二つあるとはいえ、その二つは男性用と女性用。
男性用の仮眠室―――彼以外はほぼ使わないそこは、もはやプロデューサーの住処のような扱いになっていた。
デスク一つに、テレビが一つ。
誰かが持ち込んだアロマデューサーや誰かが持ち込んだゲーム機や誰かが持ち込んだ本が所せましと置いてある。
……いつもなら、である。
「さあ、プロデューサー!どんどん食べましょう!
ほら、遠慮しないっ!!」
「お、お茶をどうぞですぅ、プロデューサー……」
「お茶の他にもドリンクも作ってきましたよ!」
「おいおい未来、大丈夫かそのドリンク……」
「大丈夫です!海美ちゃんと一緒に作りました!」
「大丈夫な要素が欠片もないな!?」
プロデューサーの仮の住処からは一時的に物が撤去されており、代わりに所せましと置いてあるのは数々の食事、食事、食事。
メインは人呼んでプロデューサーに隙あらばレバニラを食わせる女、佐竹美奈子が作った中華料理の数々。
他にもたこ焼き、お好み焼きにしじみ汁、目玉焼き。
甘味はたい焼き歌に抹茶のロールケーキ、マドレーヌにマカロンと目白押しどころの騒ぎではない。
「パーティ〜パーティ〜、楽しいパーティ〜、料理もおいし〜♪」
「あ、このかに玉おいしいーっ!流石美奈子先生っ!」
「春香さんの作ってきてくれたお菓子もおいしいよ!」
「え、なんでしじみ汁なん?なんで?」
アイドルたちがそんな風に騒ぎながら食事をつつく様子を見て、その部屋の主は孫をみるおじい様のように微笑んでいた。
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