53: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/06/15(金) 20:29:44.95 ID:bVnO2WFP0
「その裕太郎さんってのを止めましょうよ。
いつものプロデューサーがダメだって言うなら……せめて高木と」
「……どうして今になって仰るんですか?」
「今しか無いと思ったからです。この後は一応食事の予定ですし」
言って、彼は気恥ずかしそうに視線を泳がせました。
それから一秒、二秒、三秒目で再び私と向き合うと、何やら意気込んだ様子で口を開き。
「そこでも名前を呼ばれるままだったら……。距離感が掴みづらくなります、俺」
「距離感……?」
とぼけたように復唱する私のことを、彼がたははと苦笑います。
「今日は恋人役だったとしても、プロデューサーとアイドルでしょう?
……そろそろ自分を戒めておかないと、立場を忘れてしまいそうで」
その顔は、照れ臭そうに。
言われた私も言葉に詰まると、「どうしてです?」なんて下らない質問を返してしまう。
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