52: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/06/15(金) 20:28:28.47 ID:bVnO2WFP0
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その後も時間が許す限り、私たちは"スケート場"を堪能しました。
ええそうです。忘れていた滑り方を体が思い出した頃にはもう、
次の予定へと移らなくてはならない時刻になってしまっていましたから。
スケート場を出てすぐの広場。
真新しい夜の帳の中で二人、すれ違う風に身を縮めて。
「それで――裕太郎さん? この後の予定なのですけれども」
訊けば、彼は今日何度目かの渋い表情をその顔に浮かべます。
そうして意を決したように、コホンと一度咳払いをすると。
「あの、歌織さん。その前にずっと言おう言おうと思ってたことがあるんですが」
さて、一体なんでしょうか?
私は分からないわという風に胸の前で両手を組むと、
彼の真摯な眼差しを受け止めます。
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