51: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/06/15(金) 20:27:12.35 ID:bVnO2WFP0
「あっ」
その時、あの滑りが上手な女の子と目が合いました。
お友達らしき他の少女達と一緒に、私たち二人のことを見ています。
……その誰もが少し驚いたように。
そうして、年頃の女の子らしく興味津々といった具合に。
だからでしょうか? 私は思わず、ニコリと微笑み返してしまったのです。
開き直ってしまった気持ちに照れ臭さなんてありません。
このままずっと見せつけてしまってもいいと思うほどに浮つく心は充実していて。
「歌織さん、と、とりあえず立たなくっちゃあ……」
相変わらず視線を合わせずに、プロデューサーさんがそう仰います。
「はい」と素直に返事して、私は彼の腰から腕を離しました。
それから、よろよろと立ち上がった二匹の小鹿は手すりを求めて四苦八苦。
何とかリンクの端へ戻り、一息ついても体はふわふわと軽いままで。
「一つ、提案なのですけれど」
だから、無言で頷く彼に向けて、感情のままに吐き出してみた。
冴えてる大人のやり方を、あの子達にも披露したくなってしまったもの。
「今度はプライベートで来ませんか? 劇場の子達も連れて……きっと楽しくなりますよ」
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