48: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/06/15(金) 20:22:35.86 ID:bVnO2WFP0
「ま、待っててください! 俺も、そちらに行きますから」
一歩、一歩、着実に。
まるで不安定なつり橋を渡るようにしてプロデューサーさんがやって来る。
だけどその手がしっかと握るのは、
怯える私の手ではなくスケートリンクの手すりでした。
拳一つ分の距離まで近づく互いの手。
強気な誤魔化し笑いから、彼も無理をしていることが分かります。
「滑るのはお得意だったんじゃないんですか?」
私が訝しみながらそう訊けば。
「あっははは……。どっちかって言うと俺たちは、女の子との出会いが目的で」
悪びれた様子もなく答えたなら、プロデューサーさんはリンクの方へと懐かしそうな視線を向けました。
その先には、彼の青春時代の光景が蘇っているのかもしれませんけども。
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