39: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/06/15(金) 20:06:46.19 ID:bVnO2WFP0
テーブルの上に置かれたそれには、今度受ける雑誌のお仕事
――例の大人デートです――で赴く予定の場所がずらり。
とは言っても、大別すれば幾つかの娯楽施設とレストランに分けられるその内容は、
いかにもデートスポットにおける定番といった顔ぶれで。
……なんて偉そうに言ってる私ですが、実際にデートをした経験はありません。
『だから知識だけじゃなく体験として、お仕事前に知りたいんです。
当日の現場で指示に慌てたり、上手くできないなんてことが無いように』
数日前に事務室で交わしたやり取りが蘇ります。
それは随分と突飛な理屈ではありましたけど、
プロデューサーさんは優しい――単純な人だから。
『いいですよ。早速予定の方を調整しましょう』
こうして作られた恋人ごっこの練習日。
あまつさえ「歌織さんは仕事に真面目ですね」なんて評価まで彼にして頂いて。嬉しい反面ちょっとフクザツ。
だって歌織は、お仕事を口実にアナタの傍に居たいだけだと自分で分かってしまってるから。
でもそんなことを言ってしまうと、ダメですね。
幾分頬が火照って仕方ありませんので――落ち着くまでの間にほんの少し、違う話をさせてもらえはしないでしょうか?
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