36: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/15(金) 20:00:08.83 ID:bVnO2WFP0
そこで一旦言葉を切ると、私は毅然と胸を張って答えたのです。
「そういうお仕事に対して中途半端なコト、私、手を抜いてるみたいで好きじゃありません。
第一、裕太郎さんには今日一日私の恋人役をしてもらうんですから」
言われたプロデューサーさんが「また呼んだ」なんて顔になって口をつぐむ。
注文したコーヒーが運ばれてきて、渋面の彼の前へと置かれます。
少しだけ浮つく、視線。
私はそんな反応を敢えて見逃すと。
「なのに約束の時間には遅れて来る。私のことにも気づけない。
おまけに他の女の人にデレデレして」
言いながら、戻っていくウェイトレスさんの背中を見やり。
「これが本当にお付き合いしてるなら、今頃相手は怒って帰ってますよ?」
そうしてテーブルの上で腕を組むと、私は忠告するように言ってあげました。
まるで叱られている子供みたいに首を縮めて、
プロデューサーさんが「いや、それは」と言い訳を探し始めます。……聞きましょう?
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