20: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/11(月) 20:21:21.82 ID:4HE2LzfA0
「んー……。起きてる」
「ならベッドの上から降りなさいな。
そういうのを、世間じゃまだ寝てるって言うんでしょ」
彼女は呆れたようにため息一つ。
私は言われるままに体を起こし、
名残りを惜しみながら温かなベッドから離れました。
肌寒さに自分の肩を抱きながら、
遮光カーテンを開く母の背中に「おはよう」と挨拶を投げかけます。
「何がおはようなんだかこの子ったら。……もうお昼よ」
「お昼って、まだ十時じゃない」
「昼前って言葉を知らないの? 早く着替えて顔だって洗って来て。お父さんも起きて居間にいるから」
そうして母は私を急かすようにクローゼットの前へと追い立てる。
彼女のせっかちさは私が小さな頃から変わらない。
なのに、小言を言われる量が年々増えてきているのは単なる気のせいなのかしら?
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