21: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/11(月) 20:23:13.97 ID:4HE2LzfA0
そんなことを頭の隅で思いながら、
今日着ていくための服を選び、姿見の前で袖を通す。
……髪型は、どうしようかな? 普段と同じじゃ少し不安。
纏めてる時の癖がついて、緩くウェーブのついてる髪をそのままじゃみっともないとか思われない?
「あらま、随分とお洒落してること」
鏡に映る母が言います。
私は振り返ることもせずに、取り急ぎ手櫛で髪を整えると。
「別にいつもの服と変わらないわ」
「母を甘く見ないで頂戴。……いいわねアナタは若くって」
「……それ、どういう意味?」
「怒らないの。見せる人が居るって素敵なことよ」
彼女はからかうようにくすりと笑い、私の両肩にその手を置きました。
鏡の中に並ぶ二つの顔。
一つは未来、一つは過去。
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