9: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/07(木) 23:31:19.29 ID:ODZrmv780
「近くに居ないと寂しいです。私、一人じゃダメみたいで……」
なのになのに、あれれ? 何だかおかしいよ。
こんなことまで言うつもりなんて無かったのに、胸のくしゃみも全然止まらなくて、
まるで風邪引きさんみたいにコンコン咳を続けてるの。
それが何だかとても苦しくって、私は増々ハグする腕に力を込めた。
「プロデューサーさん」声が、震える。
「ぎゅー……って、アナタからも抱きしめてくれませんか?」
まるで自分が自分でなくなっちゃったような感じ。
これがお化けに憑りつかれるってことなのかな?
……ワガママなレイカは、悪い子。プロデューサーさんを困らせちゃう。
この人のことを苦しめちゃう。私の大好きなあの笑顔を、彼から奪い去ってしまう。
「ん、ん……いや、でもな」
プロデューサーさんは私の腕の中で身じろぐ。
早く手を解かなきゃっていう気持ちと、このままずっとくっついてたいっていう気持ち。
二つの"したい"が頭の中でグルグルしてて、どちらか片方なんて選べなくて。
……だから決めて貰いたかった。彼に選んで欲しかったの。
いつもいつも私が悩んでいる時に、お仕事のアドバイスをくれる時みたいに。
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