8: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/07(木) 23:30:23.10 ID:ODZrmv780
それでも自然と浮かんでる、笑顔。彼から分けて貰っちゃった。
出来立てのカップケーキを齧ったみたいにほわほわし始めてる心は、
彼へ尋ねたい気持ちを抑えられない。
「バッチリさ、見たい?」
「はい!」
手招きされたから近づいた。
肩と肩が触れ合うぐらいで覗き込んだスマホの画面に額縁を持った私がいる。
壁にはお札が張り付いてる。
テレビの心霊番組でやってた話と、おんなじ。
……ドキドキするのは怖さのせい?
「麗花」
そうして名前を呼ばれて大発見。
私ったら、知らないうちに名前にお化けを飼ってたみたい。
それに少し困った顔をしてる彼が、
「ちょっと近いな」なんて私との距離を広げようとしてるのを感じたから。
「ダメです」
自分でもびっくりするような、口から飛び出た、一言。
両腕を彼の腰に回していつもよりちょっと強めのハグ。
多分だけど、私の飼ってる寂しんぼお化けが体を動かしたんだと思う。
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