雨が降ればいいのに
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22:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 08:41:16.31 ID:n5mMk9eGO
中の様子はあの頃から何も変わっていない。元々人が入ることも無かったのだろう、少し埃っぽくはなっているけれど、あの頃から変わっていなかった。

そこに悠里さんがいないことだけが、見慣れた景色に違和感を覚えさせた。

自分から来なくなったくせに、いてほしいと思ってはいけないと言い聞かせていたのに、いざ彼女がここにいないと気がつくと、寂しくて仕方なかった。

待ってくれてると思ったことはなかった。俺が彼女の立場だったら、間違いなく一年以上も待ち続けたりはしないだろう。

頭の中では分かっていても、もしかしたらいてくれるんじゃないかと信じたかった。

都合のいい妄想は、現実にはなり得ない。

ここに来てしまったのは、ちょっと慣れない環境になってしまったせいだ。好奇の目に慣れさえすれば、またいつもの、不満のない日常に戻れるはずだ。

そう言い聞かせて、スマートフォンで時間を確認しようとした時だ。転倒した液晶で広がった視界に、すこし大きめの石に敷かれた何かが飛び込んできた。


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