雨が降ればいいのに
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10:名無しNIPPER[saga]
2018/06/05(火) 00:58:48.03 ID:lfpzaq0oO
花火大会が終わってからも、俺たちの関係は変わらなかった。

相変わらず雨の日になれば神社に集まり、そうでなければ変わらぬ日常を過ごす。

あの花火大会が夢だったんじゃないかってくらい、何も変わらなかった。数少ない変化といえば、悠里さんは9月になっても私服で神社に来るようになった。

「うちの学校の制服はダサいから、藤くんと会うときに着たくない」と言ってはくれたけど、そんな言葉よりも聞きたい言葉があった。

秋雨の時期は彼女と会う機会が再び増えたけれど、俺が一番聞きたかった言葉は無いままだった。

たった一言、「私も藤くんが好きです」と言ってくれたら、それだけで良いのに。最初はここで会えるだけで嬉しかったはずなのに、人間はついつい多くを望んでしまうようにできている。

いつの間にか10月に入り、文化祭の準備をしている時のことだった。

クラスの女子に呼ばれた場所に向かうと、人生で初めて、告白を受ける側になった。いや、する側になったのもつい数ヶ月前だったんだけど。

彼女はクラスでもそこそこ目立つタイプで、うちの部活の男子にも割と人気があるような子だった。彼女はチキンな俺とは違い、「付き合って」まで言葉にした。


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