8:名無しNIPPER[saga]
2018/06/04(月) 22:59:22.87 ID:pYbnVPbk0
ハゲは蒼く澄み渡った空へ向かい、弾丸の如く落ちていった。
空が激しく波打っている。あれは海ではないのか。
ドボン、と沈み込むと周囲から墨を流したように闇が迫ってきた。
ハゲ「クッ……」
目の前が闇に閉ざされた。
陽気な音楽も聞こえぬ。
静寂。
凍りつくほどの静寂が、この場を支配している。
光り輝く尾鰭で水を蹴る彗星。タコのように触手で岩を掴み、海底を移動する赤色矮星。
凄まじい吸引力で他の星々を喰らうブラックホール。
ありとあらゆる星が、空の海で独自の生態系を築き上げていたのだ。
そこへ飛び込んだ、一人の異端者。ハゲ。
ハゲ「この深海から早く抜け出さねば……」
水面を探しながら泳いでいく。一回水を掻いただけで、どこまでも進んで行けそうだった。
止まる場所がない。どれだけ進んだか確かめる標識もない。
そうだろう、と見当をつけた場所へ進むしかない。手探りの冒険である。
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