7:名無しNIPPER[saga]
2018/06/04(月) 14:01:48.25 ID:S1pFG4WCO
チャカポコチャカポコ珍妙な音が聞こえる。
これは一体何なのだろう。
木琴の音に似ているが、奏者の姿はまるで見えない。
間の抜けた陽気な音楽は、キノコのような建造物から発せられているようだ。
音楽に合わせて、建物が伸びたり縮んだり繰り返す。
さざ波。寄せては返す、カラフルな音符の波。
ハゲも何だか踊りたくなってきた。
背中に刺さったガラスの痛みなど、微塵も感じない。
チャカポコチャカポコ。
木琴の調べに乗ってタップを踏む。
鼻歌を口ずさみ、スキップする。
もう心は至高天(エンピレオ)まで一直線だ。
波間からクラーケンが顔を覗かせる。
ほうら、巨大なイカさえ触手をうねうね揺らして踊っているではないか。もしやこの塔は、巨大な楽器だというのか?
阿呆な考えが脳内を駆け巡る。いや、まさかな。
けれども楽しい気分だ。
この乳を噴き出す塔と、ずっと一緒に踊っていたい。
ハゲがニヤニヤしながら塔の外壁に手を触れた
ーーー刹那ーーー
ハゲの身体は青空の彼方へと吹っ飛んでいた。
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