【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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937: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/03/02(土) 22:38:15.69 ID:d4D1O6AS0
ノンナ「あなたならきっと皆の期待に応えることができます。だから」
カチューシャ「何言ってんのよっ……私は、人殺しよ……」
ノンナ「……あれは事故です。連盟も、国も、何よりも逸見さんの家族がそれを認めてくれたじゃないですか」
カチューシャ「私が命令したッ!!私が撃たせたッ!!足場が悪くなってるだなんて事知ってたのにッ!!勝利に目がくらんで、人の命を奪ったッ!!」
悲痛な叫びにノンナの胸も痛くなる。
それでも、今ここで自分まで泣き出すわけにはいかない。今日、ノンナがカチューシャに会いに来たのは決して同情や慰めるために来たわけではなく、
もっと残酷で、恨まれるような事をするためなのだから。
ノンナ「……それでも、みんなはあなたを隊長に選びました。あなたなら、我々を導けると」
カチューシャ「……お願い、放っておいて。私はもう戦車道を……」
泣き叫ぶ体力すら尽きたのか、カチューシャは再び布団に潜り込もうとする。
ノンナ「……あなたに伝えるべきか迷っていましたが、仕方がありません。……西住みほさんですが」
そして、ノンナによってあの事故の『被害者』の顛末……いや、末路が語られる。
一言紡がれるたびにカチューシャの顔が動揺、後悔、悲痛に歪んでいく。
それは語るノンナも同じであった。
そして、全てを語ったノンナの口が閉じると、カチューシャが理解できないといったように頭をおさえ皮膚が裂けそうなほど強く爪を立てる。
カチューシャ「何よ……何よそれッ!?」
その問いかけにノンナは何も答えない。
何も、答えることなどできないから。
カチューシャ「あの子は何も悪くないじゃないッ!?なのに、なんでッ!?」
ノンナ「わかりません。ですが、それほどの事があったという事なんでしょう」
理由はある程度知っている。どれだけ隠そうとも人の口に戸は立てられ無いのだから。
ましてや、その『被害者』は自分から自分の事を大っぴらにしたのだから。
けれど、知っていることと理解できることは全く違う。
なんでそうしたのか、それが分かってもその論理は理解できない。
きっとその論理はそうなった本人だけが理解しているのだろう。
カチューシャ「私の、せいで……私の、せいなのに……」
カチューシャはぶつぶつと呪文のように自責の念を呟く。
そして数分ほどたったのか、ピタリとそれが止む。
隈だけでなく真っ赤に充血した瞳をノンナに向ける。
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