【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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936: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/03/02(土) 22:36:06.53 ID:d4D1O6AS0




プラウダ高校の学園艦。そこにある学生寮の一室の扉がノックされる。


ノンナ「カチューシャ、私です」


ノックをした長身の生徒―――ノンナは部屋の主の返事が返ってこないのにため息を吐くと、鍵のかかっていないドアノブを回す。


ノンナ「……入ります」


部屋の中は冷え切っており、部屋の隅に置かれたベッドが小さく膨らんでいた。

その膨らみに向かってノンナは声を掛ける。


ノンナ「体調は大丈夫ですか」


返事は帰ってこない。


ノンナ「いい加減、練習に参加してはどうですか?みんな待っていますよ」


膨らみがもぞもぞと動く。


カチューシャ「……私は、戦車道を辞めたって言ったでしょ」


小さくて、今にも消えてしまいそうな声が布団越しに聞こえてくる。

ノンナは辛そうに唇を噛みしめ、逡巡するように視線を揺らすと、ため息のように声を出す。


ノンナ「……今日の会議であなたが隊長になることが決まりました」


その瞬間、跳ね飛ばされるように布団がどけられ、中から小柄な少女――カチューシャと呼ばれる少女が姿を現す。

深い隈に縁どられたその眼は信じられないといったように見開かれ、ただでさえ華奢な手足はノンナが最後に見た時よりも細く、頼りなくなっていた。

その姿にノンナは泣き崩れそうになるも、ぐっとこらえて、震えが声に出ないように伝える。





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