【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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932: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/03/02(土) 22:23:38.52 ID:d4D1O6AS0
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夕方もすぎ、日の沈んだ港にその二人はいた。
潮風が冷気を伴って体に纏わりついてくる。
けれどもまほは身震い一つせず、目の前のみほを睨みつけている。
「見送り、してくれるんですね」
まほ「勘違いするな。お前がちゃんとこの地を去るのを見届けたいだけだ。二度と、私たちの前に現れないようにな」
怒りと侮蔑を隠しもしないまほの態度にみほは目を逸らす。
「私は……あなたを尊敬しています。誰よりも強いあなたを」
まほ「黙れ」
潮風以上に冷たい声がナイフのように突き立てられる。
みほの肩がびくりと震える。
「知った風な口を聞くな。お前は、何も見てこなかっただろう。私の事も、エリカの事も」
その言葉にみほは反論しなかった。
何を言い返せばいいのかわからなかったし、何を言ったところで意味が無いと思ったから。
だから、みほはまほに背を向けて歩き出す。
これ以上ここにいても仕方が無いから。
みほがフェリーに向かおうとすると、遠くから彼女を呼ぶ声がした。
振り返るとこちらに向かってくる人影が一つ。
小梅「みほさんっ!!」
「……赤星さん」
小梅「なんで、どうしてあなたがっ……」
小梅は息も絶え絶えなまま、みほに縋りつく。
「私は……」
その姿を見たみほの口から柔らかい音が漏れる。
しかし紡がれようとしたその先は、みほが固く唇を結ぶ事で遮られる。
何も語ってくれないみほに焦れたのか、小梅はまほに向かって叫ぶ。
小梅「隊長!!みほさんが転校なんてなにかの間違いですよね!?」
まほ「赤星、そいつはもう私たちとは無関係だ」
その答えは小梅が求めていたものでは無かった。
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