【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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931: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/03/02(土) 22:20:32.45 ID:d4D1O6AS0


「……帰ります」


もう何も話すことは無い。そう言っているかのようにみほは静かに立ち上がり、部屋から出ようとする。

しほは縋りつくようようにその肩を掴み、懇願するように呼び掛ける。


しほ「待ってみほ、話を、話をしましょう?」

「……師範、あなたの娘はもう死んだんです」


まるで、間違っているのはあなたたちだと、現実を見ていないのはあなただと、そう言うかのようにしほに語り掛ける。

しほはもう、声すら出せなくなり、まるですり抜けるように肩に置いた手が落ちていく。


まほ「ああ、その通りだ。お前のような奴が妹だったと思うとぞっとするよ」


まほは、吐き捨てるように言うと、部屋を出て行った。


「……転校の件好きにしてください。だけど、戦車道はやめません。私には、それしかないから」


独り言のようにそう告げると、みほも部屋から出ていく。

娘たちの去った部屋に一人残されたしほは、ひたすら自問自答を繰り返す。

何が悪かったのか。おそらく、何もかもが。

どうすればよかったのか。考えたところで意味はない。

なら、いっそ泣き叫べば良いのか。

そんな事、許されるわけない。誰よりも泣きたいのは、叫びたいのは娘たちなのだから。


しほは、自分が母としてなにも積み重ねてこなかった事を思い知らされた。

娘たちのためだとやってきたことはただの自己満足だったのだと理解してしまった。

どれだけ家族を想っていると思っていても、どれだけ娘たちの幸せを考えていたと言っても、

今の有様が結論だった。

何もできず、どうすればいいかもわからず、


それでも今は、涙の代わりにどこまでも悲痛な呻き声をあげる事しか出来なかった。





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