【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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930: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/03/02(土) 22:18:21.45 ID:d4D1O6AS0
まほ「お母様が言えないなら私が言います」
まほを見つめるみほの瞳は怯えたように揺れていて、それが憎らしくてまほは舌打ちをする。
まほ「みほ、お前のような弱くて醜い偽物は戦車道をやるに値しない」
まほにとってみほは愛する妹だった。
たとえ自分が傷つくとしても妹だけは守ろうと思っていた。
まほ「お前はただ、エリカに依存していただけだ。何もない自分の中身を、エリカで埋めようとしていただけなんだ」
ほんの一月前の彼女ならこんなこと言う訳が無かった。
誰よりも、何よりも、妹であるみほの事を大事に思い、みほが立ち直ってくれることを心から願っていた。
しかし、今はもうそんな姉の姿は見る影もなく、ただただ、目の前の『偽物』への嫌悪と憎悪で満ちていた。
まほ「エリカに依存して、いや寄生して。今度はその存在まで食い散らかすお前を、私は心の底から軽蔑する」
しほ「まほ、やめなさい」
しほが震える声でまほを止める。
しかし、まほはしほを一瞥したきりで、またその憎悪の瞳をみほへと向ける。
まほ「私たちにとって必要だったのは逸見エリカだ。お前のような偽物じゃない――――さっさと出て行け。この家に、黒森峰に、この世界に、お前の居場所なんか無い」
しほ「まほっ!!」
しほの叫び声が部屋に響いて、そして静寂に吸い込まれていく。
それでも姉妹はしほを見ず、みほはうつ向いて、まほはそんなみほを蔑むように見下ろして、口を閉ざす。
仲睦まじかったはずの姉妹の姿は見る影もなく、そこにはもう温度なんてものは存在していないようだった。
それでも、しほはなんとか頭の中で言葉を纏め、辛うじて空気を震わせるような声で二人に呼びかける。
しほ「……みほ、まほ。もうすぐ常夫さんも帰ってきます。そうしたら家族でしっかりと話し合って―――――」
「家族……」
ポツリとみほが呟く。
そしてしほを、まほを、じっと見つめる。
その視線にしほは何かを期待して、まほは心底気持ちの悪いものを見るような目で、みほを見つめる。
そして、
「あなたたちは、私の家族じゃありません」
冷たい声でみほは結論を述べた。
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