【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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862: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/02/16(土) 22:10:25.94 ID:S0bhx1iI0
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ここは決勝前日の夜、私とエリカさんが二人で話した広場。
赤星さんと別れた後、私は部屋に戻らずここでじっと海を見つめていた。
冷気を伴った潮風は痛いほどで、けれど、今の私にとってそんなのは大した事ではなかった。
みほ「寒いね」
そのつぶやきは誰に向けたものなのだろう。
自分でもわからないまま、私の意識は先程の山頂に戻る。
雲に覆われた夜空の下、街の明かりが星のように輝いてて。
その星空のあちこちに私達はいた。
遊んだり笑ったり怒ったり泣いたり悔やんだり。
様々な景色が、あそこにはあった。
そこに、いつだってエリカさんがいたことも。
そして、だからこそ。私はようやく理解できた。
エリカさんはもう、いないのだと。
みほ「赤星さんには迷惑かけちゃったなぁ」
わかりきったことをいつまでも引きずっていた挙げ句、迷惑をかけ続けてきたのだから。
ただ、今は謝罪の気持ちよりも感謝の気持ちのほうが強い。
赤星さんのおかげで、私はエリカさんの死をようやく理解できた。
どれだけ泣き叫ぼうとも、焦がれようとも、エリカさんはもう、帰ってこないのだと。
私が、赤星さんが、お姉ちゃんが、エリカさんが。
共にいた日々はもう、遠い過去になったのだと。
みほ「あーあ。バッカみたい」
そんな簡単なことを半年以上も引きずり続けていたのだからどうしようもないと自嘲する。
みほ「とりあえず。今後のことを考えないと」
まず学校には行かないと。
勉強はお姉ちゃんが持ってきてくれた課題である程度は進んでいるが、それでも学校の授業に追いついていけるとはとても思えない。
予習復習はちゃんとしないと。
特に理系科目。中でも物理はしっかりとやらないと。早急に。
部屋の模様替えもしないと。今の部屋は派手すぎるし可愛すぎる。もっとシンプルに。
ボコは捨てるか実家に送ろう。あ、でもエリカさんがくれたやつは残しておかないと。
料理もちゃんと出来るようにならないと。ハンバーグって結構難しそうだしね。
それと髪。長さはどうしようも無いけれどせめて毛先は整えないと。
まぁ、そこまですれば後は―――――『私』だけだ。
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