【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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848: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/02/09(土) 21:33:58.70 ID:5zdhLM0A0
小梅「……みほさん」
その瞳が、私を見つめてくる。
小梅「……事故の事、エリカさんの事。忘れろなんて言いません。……忘れる事なんてできません」
潤んだ声はけれども決意を込めた力強さを伝えてくる。
小梅「だけど、黒森峰(ここ)には私たちがいます。隊長が、私が、皆が」
赤星さんは痛みをこらえるかのように胸元を掴み、涙をこらえるかのように大きく目を見開く。
小梅「だから……少しだけ、少しだけで良いんです。前を向いていきませんか?」
『ちゃんと前を向きなさい』
赤星さんの言葉に、かつて交わした約束を思い出す。
強い人だ。エリカさんも、赤星さんも。
私なんかよりもずっと。
今日も私のためにここまでしてくれたのだろう。赤星さんだって辛いだろうに、傷はまだ癒えていないだろうに。
それよりも、私をと。
小梅「みほさん……?」
私は立ち上がって街を見下ろす。星の代わりに輝く街並み。そのあちこちが、私にとって大切な場所だった。
みほ「赤星さん、あそこ。いつも一緒に帰ってた道」
私が指をさすと、隣に立つ赤星さんが懐かしむように目を細める。
小梅「……はい。エリカさんは『あなたたちが勝手についてきてるだけよ』なんて言ってましたけど」
みほ「ほら、たぶんあそこのコンビニかな?私がいつまでも居座ってるからエリカさんに怒られたのは」
小梅「さすがに、私もあれには呆れましたよ」
赤星さんが潤んだ声でクスクスと笑う。
一緒に学んだ学校が。一緒に歩いた帰り道が。一緒に食事したレストランが。一緒にはしゃいだ部屋が。
たくさんの『一緒』が、この街には溢れている。
そして、
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