【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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810: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/01/26(土) 20:06:15.84 ID:OnQF/8PI0


みほ「エリカさんっ嫌ッ!!私をっ、私を一人にしないでっ!!?」

まほ「あ……」


まほが膝から崩れ落ちそうになる。後から追ってきたしほがそれを支え、なんとか立たせようとするも、力なくへたり込んでしまう。


しほ「まほ、しっかりしなさい」


そう言うしほの言葉には、いつもの気迫はこもっていなかった。


みほ「なんでっ、なんでエリカさんがっ!?私は、私が助けないといけなかったのにっ!?」

「う、ぁ……」


その時、後ろからうめき声のようなものが聞こえた。

しほが振り向くと、そこにはみほの惨状を見て立ち尽くすプラウダの少女がいた。

しほは心の中で舌打ちをする。見せるつもりはなかった。見せてはいけなかった。

今回の事故が自分のせいだと責めている彼女に、再びショックを与えるような事は避けなければならなかった。

慌てていたのは、動揺していたのは、しほも同じだった。

こうなってしまった以上、彼女をここにいさせてはいけない。

しほは内心の動揺を悟られないよう、少女に話しかける。


しほ「……あなたは、もう帰りなさい。これ以上ここにいても辛いだけです」

「だ、だって……」


少女の瞳は、話しかけているしほを見ていない。

揺らぐ瞳はそれでも、みほの姿を捉え続けていた。


みほ「やだよ……嫌だ!!エリカさんっ!!私の、私の手を握ってッ!!?エリカさんっ!!」


みほが叫ぶたびに、その小さな肩がびくりと震える。

もう、見ていられなかった。


しほ「……お願い、帰って」


突き放すような言葉になったのは、少女を気遣ったからだ。

これ以上、ここにいたら取り返しのつかない傷になる。

しほはそう考えた。


「あ、あ……あ、あああああああああッ!!」


少女は泣き叫びながら走り去っていった。出来る事なら、もっと落ち着いた場所でしっかりと話してあげたかった。

あなたは悪くないと、ちゃんと理由を述べて納得させて、家に帰してあげたかった。

しかし、今のしほにその余裕はない。目の前で愛する娘が泣き叫んでいるのにそれを放っておくことなど出来なかった。




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