【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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790: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/01/19(土) 19:11:11.93 ID:mYSOjYXE0
まほ「みほっ!?急に動いたら体が……」
みほ「お姉ちゃん決勝は!?試合はどうなったの!?」
まほ「えっ?」
お姉ちゃんの両肩を掴み揺さぶるように問いかける。
みほ「黒森峰は優勝できたのっ!?」
私は、自身の乗るフラッグ車を放棄した。それがどんな結果を招いたのか、私は知らなくてはいけない。
たとえ、どんな叱責を受けようとも。
まほ「黒森峰は……負けたよ」
みほ「……そっか」
お姉ちゃんの重い、絞り出すような声。わかっていた。あんな足場の悪く狭い道で車長がいなくなった戦車がどうなるかなんて。
胸の奥がじんじんと痛む。私はまた、誰かの期待を無碍にしてしまったのだ。
謝った所で許されはしないのだろう。私はお姉ちゃんの目を見ることが出来ず、そっと視線を落とす。
まほ「……悪いのは私だ。敗北も、事故も隊長である私に責任がある。みほが気にすることじゃない」
みほ「ううん……私がフラッグ車を投げ出したからなんだし。でも、そっか……負けちゃったんだね……」
まほ「……みほ、その……」
私を慰めようとしてくれているのか、その言葉が見つからないのか、お姉ちゃんは私に何か言おうとしては口を閉じるを繰り返す。
慰められる資格なんて私には無い。私は負けることが分かって助けに行ったのだから。
後悔はない。誰かの期待を裏切ったのだとしても、私は私がしなくてはいけない事をしたのだと思っているから。
そこまで割り切っているのに、それでも気持ちが落ち込んでしまうのは避けられない。その感情がため息とともに漏れ出してしまう。
みほ「エリカさんに、怒られちゃうな……」
まほ「……え?」
ああ、私はまた約束を破ってしまった。
みほ「約束したのに……一緒に優勝するって。……でも、仕方ないか。エリカさんの命には代えられないもん」
まほ「み、ほ……」
あの時濁流に飲みこまれているV号を見て、救助が間に合うだなんて到底思えなかった。
そして、動けるのは私だけだった。
だから私は動いた。その行いが軽率な、二次災害を招くものだと咎められるのならば、私は粛々と沙汰を受け入れるつもりだ。
それでも、それでもだ。私は助けたかった。赤星さんを、V号の乗員を、エリカさんを。
10連覇も名誉も誇りも、彼女たちの命より価値があるものとは思えないから。
それよりも、今の私にとって重要なのは私の今後ではない。もっと、大事な人がいる。
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