【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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791: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/01/19(土) 19:13:55.71 ID:mYSOjYXE0
みほ「お姉ちゃん、エリカさんはどこにいるの?もしかして、入院してるの?そうだ、エリカさん足怪我して……だったら、お見舞にいかないとっ!!」
エリカさんはあの時怪我をしていた。足だけではなく頭や、恐らく見えない所にも。今すぐ彼女の様子を見に行かないと。
みほ「……でも、怒られるの怖いから、お姉ちゃんも一緒に来て……ね?」
まほ「……なぁ、みほ」
いくら覚悟が決まっていようともエリカさんのお小言は耳が痛くなる。
私だって怪我人なのだから勘弁してと言いたいところだが、おそらくエリカさんもそうであろう事を考えると望み薄だ。
私は一縷の望みをかけてお姉ちゃんに懇願する。
みほ「エリカさんお姉ちゃんの事大好きだから、きっとお姉ちゃんの前ならそんなにガミガミ怒ってこないと思うんだ。だから……ね?」
まほ「みほ。聞いてくれ」
正直、姉妹格差についてはいつか是正を促したいところだけれど、とりあえず目先の事をどうにかするためにその不平等を利用させてもらおう。
みほ「ああでも、それはそれで後で二人っきりの時に怒られるだけかも……」
まほ「みほ」
なんてことだ、エリカさんが目先の出来事に囚われてくれるような人ならこんな苦労しなくてすんだのに。
残念ながら私がエリカさんにお小言をくらうのは避けられない未来の様だ。仕方がない、今度ハンバーグをごちそうする事で少しでも留飲を下げてもらおう。
もっとも、そんな子供だましが通用するかははなはだ疑問だが。
みほ「あ、でも別にエリカさんが怖いとか嫌いとかじゃなくて、怒ってくるのはエリカさんが優しいからなんだよ?
私、こんなんだからさ。エリカさんが怒ってくれると本当に助かるんだだからね、」
まほ「みほっ……!」
みほ「……お姉ちゃん?」
重く、絞り出すような声。
私を押しとどめるようなその様子にお姉ちゃんが何か重大な事を伝えようとしているのだと察する。
まほ「……エリカのことなんだが」
みほ「……もしかして、怪我がひどいの?なら、すぐ行かないと!!?」
何を、何を楽観的に考えていたんだ。あの時、私よりも重傷だったのはエリカさんなのに。
私の全身が包帯に包まれているように、いやそれ以上に、エリカさんの体は大変なことになっているかもしれないのに。
全身に走る痛みが先ほどよりも強くなって私を止めようとする。
そんな事で止まってる場合じゃない。私は無理やり立ち上がろうと手足に力を入れる。
まほ「駄目だ!!そんな体で無理をするんじゃない!!」
みほ「何言ってるの!?私なんかよりもエリカさんの様子の方が心配だよ!!ねぇ、エリカさんはどこにいるのっ!?」
まほ「違う、違うんだみほ。そうじゃないんだ。エリカは、エリカは……」
お姉ちゃんは何かを伝えようと口を開くも、何も言わずに目を伏せる。
歯切れの悪いその様子に痺れを切らした私は、お姉ちゃんの制止を振り切って立ち上がろうとする。
みほ「……もういい、教えてくれないなら自分で探す」
まほ「っ……みほっ……!エリカは……エリカはッ――――――」
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