【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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788: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/01/19(土) 19:06:14.69 ID:mYSOjYXE0
マズイマズイマズイ、今の言い方では散々友達になりたいと言っていたのに「あ、本気にしてたんだー?」という最悪な梯子外しをした様に聞こえてしまう。
焦りに焦る私は訳の分からないジェスチャーを交えて訳の分からない弁解をする。
エリカ「何慌ててんのよ気持ち悪い……今さらどうしたのよ。あなたが友達になってって言ってたんじゃない」
みほ「そ、そうだけど……」
散々言ってたのに全てを袖にされてきたから、いきなり受け入れられたことに驚いているんだけれど、それはエリカさんには伝わらなかったようだ。
エリカ「ならそんな動揺しないでよ。友達になっただけで別に何も変わらないわよ」
そうかもしれない。そうなのだろう。別に私たちが友達になった所でエリカさんはバンバン嫌味を言うだろうし、私が何かやらかしたら怒るのだろう。
でもでも、それでも友達だという彼女の言葉は、私にとってただの『関係性』を表す言葉なんかじゃなくて、なんていうかこう、とにかく大切な事なのだ。
エリカ「ほら、長居してると隊長に怒られるわよ。カギ閉めるの隊長なんだから。もう帰りましょ」
そう言って出口へと踵を返すも、私は感動と感激で身動きが取れない。
そんな私にエリカさんは首だけ動かして視線を向けてくる。
エリカ「……置いてかれたいの?」
みほ「う、ううん!待って!」
その言葉に金縛りは解けて慌ててエリカさんのいる日陰へと向かおうとすると、エリカさんはため息をついてこちらに振り返る。
エリカ「全く、あなたはいっつももたついてるわね。……じゃあ、行きましょうか」
そう言って、手を差し出してくる。
『ほら、いつまでもへたり込んでんじゃないわよ』
懐かしい光景。あの時と違うのは、彼女が日陰にいる事と、私がちゃんと立っている事。エリカさんが、微笑んでいる事。
その姿にたくさんの想い出を思い出す。
そうだ、私たちは友達だ。毎日一緒に帰って、休みの日は一緒に遊んで、時々お泊りして、今日もこの後新しくできたスイーツのお店に行こうって話してて、
なんてことない、でも、楽しくて仕方がない学生生活を送っているんだ。
こんな大切な事を忘れていただなんて私、本当に寝ぼけてたんだな。なんて自嘲して、それさえもきっと二人で笑い合える想い出になるんだろうなって。
そう思えて、私は笑顔で彼女に笑いかける。
みほ「――――うん!」
そう言って、日陰の中で差し出された手を取ろうとした瞬間――――――その手が消えた。
みほ「え?」
手だけじゃない、エリカさんも、床も壁も天井も空も夕日も何もかもが無くなって、真っ白になっていく。
みほ「なに、これ……?エリカさん?エリカさん!!?」
叫んでも返ってくる言葉はなく、何が起きているのかわからないまま、私の視界も意識も真っ白に染まっていって―――――
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