【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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760: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/01/05(土) 17:56:19.89 ID:sbkqZ6WF0




目的地へと向かう道中。私たちの小隊は最大の難所である崖の道、その入り口に入ろうとしていた。

エリカさんが指揮する我らがV号を先頭に、その後ろにみほさんのティーガーT、そのさらに後ろにと、一列になって戦車が続く。

崖は戦車が通るにはギリギリの幅で、視界の悪い戦車では決して楽な道とは言えない。

それ故車長たちはキューポラから体を出して細かく指示を出している。


エリカ「……雨、降ってきちゃったわね」


誰に言ったわけでもないのであろう、かすかに聞こえたエリカさんの重い呟き。

装填手席からわずかに見える空は、先ほどよりもどんよりと灰色になっていて、小雨が車体を打つ音が車内に響いている。


みほ『……戻りましょう。全車後方に注意してゆっくり下がってください』


無線で伝えられるみほさんの諦めたような声。

各車の車長の了解の返答に遅れて、エリカさんの声が無線を通して伝えられる。


エリカ「いえ、いきましょう」

みほ『エリカさん?』


先ほどみほさんの作戦に賛同した時とは逆の否定。

私は思わずエリカさんの方を向くも、キューポラから出ているその顔を伺う事はできない。


エリカ「隊長たちはすでに向かっている。今から戻るんじゃ時間無駄にしてしまうわ。ここは進みましょう」

みほ『でも……』


ためらうみほさんに、エリカさんは優しく落ち着かせるように語り掛ける。


エリカ『雨なら大丈夫よ。急がずにゆっくり行きましょう』

みほ『……わかりました。全車前進!!慌てず、慎重に行ってくださいっ!!』


エリカさんの言葉に安心感を感じたのか、はたまた不退転の決意を感じたのか、みほさんは今一度、前進を指示する。

それに、異を唱える者はいなかった。




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