【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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736: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/12/29(土) 22:40:25.93 ID:Fz/0tnfx0
みほ「どうしたの?ボコストラップ欲しいの?同じのがあと5個あるからあげるよ?」
エリカ「いらないわよ……そういえばあの子、あなたの好きなクマさんのストラップしてたなって」
みほ「え?ボコの?」
嘘、嘘、まさかこんなところでボコリアン(ボコが好きな人)とニアミスするだなんて。
エリカ「ええ。あんな変なクマさん見間違えること無いと思うけど……」
みほ「変じゃない!!」
エリカ「そんな力強く。……まぁ、世の中そういう奇特な人がいてもおかしくないわよね」
みほ「奇特じゃないよ!!」
エリカ「めげないわねぇ……」
呆れ半分感嘆半分といったエリカさんに私はいかにボコが可愛らしく素晴らしいキャラクターなのかを力説しようと踏み出すも、
眼前に差し出された手のひらに圧しとどめられてしまう。
エリカさんの瞳はすでに私を見ておらず、隣にいる赤星さんに向けられていた。
エリカ「それで?あなたはどうしたのよ」
小梅「え、わ、私ですか?」
突然の問いかけに赤星さんはびくりと肩を震わせた。
エリカ「さっきからソワソワというか、妙に挙動不審なのよね。あなたも気づいてたでしょ?」
同意を求められ、私も頷く。
みほ「うん、なんか落ち着きないなというか、どこか上の空って感じで」
先ほどから赤星さんの様子がおかしいという事には気づいていた。
理由を聞こうかと何度か考えたものの、正直私の話術では下手に触れても余計に動揺させてしまうかもしれないと思い、エリカさんの帰還を待ちわびていたというわけだ。
私の同意に確信を得たように頷くと、エリカさんは赤星さんに詰め寄る。
エリカ「ほら、問答するのめんどくさいからさっさと言いなさい」
小梅「えっと、ホントに、ホントに何でもないです。気にしないでください」
「さっさと吐いた方が楽になるわよ」と取り調べのような尋問に、赤星さんはジェスチャー交じりに潔白を主張する。
もちろんそんな事で納得するわけがなく、エリカさんは呆れたようにため息をつく。
エリカ「……はぁ、言っとくけどね赤星さん。付き合いばっか長いこの子と違って、私は、あなたの事はちゃんと知ろうとしてきたつもりよ」
小梅「……」
真っ直ぐな視線に赤星さんは何も言えなくなる。その様子にエリカさんは微笑むと、柔らかく、受け入れるように問いかける。
エリカ「言ってごらんなさい。……友達でしょ?」
殺し文句。
そう言われて拒否できるような関係だったらそもそも友達になんてなってないないだろうに。
人の気持ちを無視する癖にここぞというタイミングでその気持ちをいい様にするのはやっぱりズルいと思う。
そんな風に思えるのは私が言われたわけじゃないからなのだろうけど。
きっと、私が同じように言われたら拒否するなんて発想でなかっただろうから。
赤星さんはたどたどしく唇を動かす。
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