【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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690: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/12/15(土) 22:30:49.01 ID:f0IbpfH10
再びエリカは黙り込む。
嫌い嫌いなどといくら口で言われたところで、彼女がとる態度からその素振りを見出すのは無理というものだ。
どこの世界に嫌いな奴と食事を共にし、お互いの誕生日を祝い合うやつがいるというのだ。
誰でもわかる事だ。エリカがみほに悪感情を抱いていた事はあったのかもしれない、でもきっとそれは最初だけで今のエリカにとってみほは、決して嫌な存在じゃない。
そうだろう?だって、みほといる時のエリカはいつだって生き生きとしているのだから。
まほ「何でもかんでも全部言葉にすれば良いってものじゃない。言葉にしない事で、意味が生まれる事もある。……それにしたってお前とみほは伝わってなさすぎだ」
言葉にしていない思いはもう十二分に伝わっているはずだ。そこにたった一言あればみほの願いは叶うのに。
4年間求めていた関係に確かな形が生まれるのに。
だけど、エリカは不貞腐れたように唇を尖らせる。
エリカ「だって、友達じゃないですから」
まほ「お前なぁ……」
流石に呆れてしまう。
なんで普段はちゃんとしてるのにこういう時だけ子供みたいな駄々をこねるのか。
いい加減説教したほうが良いのかと考えていると、ふとあることに思い至る。
というよりずっと前から考えていた事だ。
いつだって堂々としていて、先輩だろうとなんだろうと自分の意志を貫くエリカがどういうわけかみほの前ではちぐはぐな言動と行動をしてしまう。
その理由、いや原因は……
まほ「……ああ、そうか」
エリカ「……?」
私は名探偵のようにエリカを指で指す。
行儀が悪いのは重々承知だが、この程度は許して欲しい。
私と私の妹を散々振り回したのだから。
そして私が導き出した答えを突きつける。
まほ「エリカ、あなた――――ただ恥ずかしいだけでしょ」
エリカ「っ!?」
途端に紅潮する肌、限界まで開かれる瞳。
真偽を問わずともそれが私の答えを証明してくれる。
まほ「嫌味っぽいのも、回りくどいのもそのくせみほの事を気に賭けるのも。素直に思いを伝えるのが恥ずかしいからなんでしょ?」
エリカ「ち、違います」
慌てて否定するももはや私の中の確定事項は揺るがない。
全く、本当にめんどくさい奴だ。
約束だ協定だ倒すべき目標だ。
だから友達じゃない。
そんなの理由にならないのに。
嫌いなところがあるのに一緒にいるのは、それ以上に想っているからだろうに。
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