3:名無しNIPPER[saga]
2018/05/27(日) 21:53:56.28 ID:XZfyulsZ0
混凝土で舗装された商店街は、ひどく雑多で、情緒が無い。
床には様々な生ゴミが、片付けられずに放置されている。
店のシャッターは閉まり、陳腐な絵や、赤い液体で落書きが為されている。
そんな中で、妹の存在はまるで天使のように浮いて見える。
彼女がそこに居るだけで、寂れた商店街も天界のようだ。
妹が目を輝かせてある店に近づいていく。
そこは駄菓子屋だった。
まだ俺たちが小学生の頃は、よくそこに通っては、少ない小遣いをやり繰りしてなんとかお菓子を買い込んだものだ。
妹はジャーキーが好きだった。
小さな頃、過剰に香辛料が効いた肉の棒を、美味しそうに食んでいた。
こんなナリの癖をして、意外と親父臭いものが好きなのだ。
もちろん、兄の俺の前以外では、そんな様子は微塵も見せなかったが。
10Res/5.20 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20