1: ◆8rI.G6zKUs[saga]
2018/05/26(土) 00:24:45.36 ID:QlKbucxDO
聖來「あ、海ちゃーん! 先週プロデューサーさんとほたるちゃんと一緒にドッグラン行ったときの写真、持ってきたよー!」
海「あぁ、この前言ってたやつ? 見せて見せて。 ……おー、いい表情だね、二人もわんこも!」
聖來「ありがと! 広くって思いっきり走り回れるし、アスレチックとかもあって楽しかったよ!今度海ちゃんも一緒に行こうよ!」
海「いいね、楽しみにしてるよ。それにしても、改めて言うのもなんだけどさ、聖來さんとほたるってタイプも違うし歳も離れてるだろ? あんまりイメージ結び付かないから仲が良いのって最初は少し意外だったよ」
聖來「そう? ユニット組む前からほたるちゃんとはよく一緒にレッスンしたりわんこの散歩したりしてたよ」
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2: ◆8rI.G6zKUs[saga]
2018/05/26(土) 00:26:10.99 ID:QlKbucxDO
聖來「それにほたるちゃんはアタシのライバルでもあるからね」
海「へぇ? それは初耳だね。なになに、もしかしたら面白い馴れ初めとかある?」
聖來「馴れ初めって海ちゃん……」
3:名無しNIPPER
2018/05/26(土) 00:31:16.26 ID:QlKbucxDO
聖來「んん、改まって話すとなるとちょっと恥ずかしい気もするけど、まいっか。……アタシ、昔から踊るのが好きでね、アイドルになる前は友達とストリートダンスやってたんだ」
海「うん、それは知ってるよ。そこでプロデューサーさんにスカウトされたんだよね」
聖來「結果だけ言えばね。でもね、そんなにかっこいいものじゃないんだ。運が良かっただけかもしれない。ストリートダンスって言ってもあの頃やれてたのは真似事みたいなもので、思いっきり踊れてたのは数えられるくらいしかなかったの。一緒にダンスやってた友達は社会人になってからどんどん熱が冷めてきたみたいで、どうせ誰かに見せるわけでもないしそんなに本気でやんなくてもいいじゃんって、ちょっとステップの練習して体動かして終わりとかその程度になってきて。アタシも、23歳にもなってずっとこんなことしてられないのかなって思ったりもして。そんなだから本気で踊れる場所がだんだん無くなってて」
4: ◆8rI.G6zKUs[saga]
2018/05/26(土) 00:35:41.41 ID:QlKbucxDO
聖來「でもね、最初の頃はやっぱりこの歳からアイドルだなんてとか、中学生や高校生の子と混ざってレッスンやトレーニングなんてって、恥ずかしがる気持ちもあったかな。笑っちゃうよね、最初で最後のチャンスだとか本気の挑戦なんて言っておいてそんなこと考えてたんだから」
海「……」
聖來「そんなときにね、ほたるちゃんに会ったんだ。オーバーワーク気味に自主レッスンしてて、そのままだと本当に倒れるまで続けるんじゃないかって心配になって声をかけたの。聞けば自分より10歳も下だっていう子が、なんて顔をしてるんだろうって最初は思ったかな」
5: ◆8rI.G6zKUs[saga]
2018/05/26(土) 00:40:31.50 ID:QlKbucxDO
聖來「ん、とにかくすごい必死さだったでしょ? ほたるちゃん、その時ね、頑張れる場所がなくなることの方が辛いからって言ってたんだ。ガツンと殴られた気分だったよ。アタシもね、頑張れる場所がなくなる辛さは知ってたと思ってた。でも覚悟が全然違った。アタシはダンスが好きで、ずっと好きなまま続けたいと思ってたけど、手を差し伸べられるまではただそう思ってただけだったんだ。友達が冷めてきたから本気で踊れなくなったとか、いい歳だからいつまでも好きなことばっかりやってられないのかもとか、自分だけでも、働きながらでもダンスを続けるって選択肢考えもしなかった。たまたまスカウトされたから夢に続く道を与えられて、運よくチャンスを与えてもらって本気でやると言っておきながら恥も捨てきれない。情けないったらなかったね」
6: ◆8rI.G6zKUs[saga]
2018/05/26(土) 00:43:34.14 ID:QlKbucxDO
聖來「やりたいことをやり続けるための覚悟の足りなさを思い知らされたよ。アタシも本気で夢を掴みたいからこれ以上甘ったれたことは言ってられないって思った。それに何より、たまたまスカウトされて道が開けたようなアタシがこの子の前で弱音なんか吐いてられないってね。そこからね、ほたるちゃんはアタシのライバルなの」
海「へぇ…、思ってた以上に深い話が聞けたよ。そんな経緯があったなんてね。でも、今の話だと二人ともこう、ぐわーって、すごく思い詰めた感じになりそうだけどそうはなってないよね?」
聖來「そこら辺はプロデューサーさんのおかげでもあるかな。ステージに立つために頑張るのはもちろん大切だけど、なんのためにステージに立つのか、どうしてダンスを続けたいと思ってたのか、その気持ちだって大切だって言ってくれてね。楽しむことだって忘れちゃいけないんだって教えてくれたんだ」
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