14: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/05/22(火) 00:02:38.28 ID:u7loX1R8O
菜々「――なんて話をしたこと、Pくんは覚えていないんだろうなぁ」
今となっては懐かしい、夏の思い出の一ページ。
別に、彼の言葉がきっかけで夢を再び追い始めたわけじゃない。彼の笑顔で、アイドルへの情熱を思い出したわけでもない。
ただ……思い返すと、奇妙な縁だな、なんて思ってしまいます。
菜々「あの時の『アイドルやれるんじゃないの?』って言葉、結果的に自分が叶えたことになるのに」
ガチャリ
P「ただいまー……あれ、菜々さんまだ帰ってなかったんだ」
菜々「おかえりなさい、Pくん。ちょっとゆっくりしていただけですよ」
P「そっか。あ、そうそう。詳しいことは明日伝えるけど、次のライブの予定が決まったぞ」
菜々「本当ですか!?」
P「本当本当。菜々さんもようやく知名度が上がってきて、ライブの規模も大きくできるようになってきたし」
菜々「楽しみですねぇ。最近ファンの方からの反応もいい感じですし、次も成功させたいなぁ」
P「………俺の言う通りになっただろ?」
菜々「えっ」
P「ほら。高校の頃、先生の補習受けてた時に言ったじゃん」
菜々「まさかPくん、あの時のことを覚えて」
P「『俺が先生をアイドルにして、輝くステージへ連れてってやる』って約束」
菜々「なにバッチリ改竄してるんですか! そんなかっこいいこと言ってませんよ!」
P「あれ、そうだったっけ?」
菜々「都合のいい脳みそを持っているんですね、Pくんは」
P「ははは、まあそれは置いといて。少しは、恩返しになったのかな」
菜々「恩返し?」
P「ナナ先生にはいろいろ世話になったから。面倒見てもらったぶん、ちゃんとプロデュースできてればいいなと」
菜々「Pくん………」
P「こんなこと、面と向かって聞くのもなんだけど。俺、いいプロデューサーでいられてるかな?」
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