114:名無しNIPPER
2018/08/20(月) 22:27:25.84 ID:A3vp4NPa0
数日後
本拠地、グラウンドで迎えた交流戦
先発恭介が大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった
土手に響くファンのため息、どこからか聞こえる「流石に男四人以外全員猫は無理があったな」の声
無言で帰り始める選手達の中、恭介は独りベンチで泣いていた
例の世界で手にした喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今のチームで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
恭介「どうすりゃいいんだ・・・」
恭介は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、恭介ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
恭介「やれやれ、帰って就活の準備をしなくちゃな」
恭介は苦笑しながら呟いた…立ち上がって伸びをした時、恭介はふと気付いた
恭介「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ベンチから飛び出した恭介が目にしたのは、校庭まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにリトルバスターズの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする恭介の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「恭介、守備練習だ、早く行くぞ」
声の方に振り返った恭介は目を疑った
恭介「フィッシュ斉藤?」
「なんだ棗、居眠りでもしてたのか?」
恭介「スカイハイ斉藤?一話だけのネタキャラだったはずじゃ・・・」
「なんだ恭介、かってにスカイハイをゲストキャラ扱いしやがって」
恭介「ホップ斉藤・・・」
恭介は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:ホップ斉藤 2番:コスモ斉藤 3番:コスモ斉藤 4番:棗 5番:マスク・ザ・斉藤 6番:フィッシュ斉藤 7番:スカイハイ斉藤 8番:ジェット斉藤 9番:斎藤隆
暫時、唖然としていた恭介だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
恭介「勝てる・・・勝てるんだ!」
ブッシュ斉藤からグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走する恭介、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっている恭介が発見され、謙吾と真人は病院内で静かに息を引き取った
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