リボンに願い込めるValentine【ミリマス】
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/20(日) 15:55:00.00 ID:P2hx7BeN0
「あら、やっぱり今日も残業?」
ドアの開く音と共に聞こえる色香を帯びた声。 その声は私の心を跳ねさせる。 きゅんって、ぴょこんって、およそ私に似つかわしくない音が私の中から聞こえた。
振り返れない。 振り返ったらこの心音がバレちゃうから。 だから私は急いで手元のチョコレートを膝上に隠した。 弱い私の、ほんの些細な抵抗。
「百瀬さんはどうしてここに?」
平静を装うのは慣れている。 落ち着いて、普段通り普段通り。
「ふふ、また今日もキミは頑張ってるんじゃないかって思ってね」
「頑張ってなんて……」
「十分頑張ってるわよ」
誉められて喜ぶほど子どもじゃないつもりだった。 それでも百瀬さんに誉めてもらうとそれはもう特別で、全てを赦してもらったような気持ちになってしまう。
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