9: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/05/17(木) 12:33:28.73 ID:Fypyj9yR0
でもでもだけど、だからこそ、かな?
目の前に見えてる海の中で、光の筋が横に流れた。
さらに一つ、また一つ、おまけにおまけでもう一つ。
みるみるうちに起きた出来事。
まるで今までは我慢してたんだぞと、
鬱憤を爆発させるように流れ始めた星の数に思わず気持ちだって逸る。
「見えたっ!! 今さっき流れたよね!?」
なのに、おいおい、なんてこったい。後ろのあの子は夢心地。
瞼はとっくに落ちていて、ふにゃふにゃ口を動かしたら。
「……卵、あたため……茜ちゃんの――」
何言ってるんだと面食らった。けれども無理に起こしたりはしなかった。
優しい星明りが降る下で、「まっ、それもいいや」と欠伸を一つ。
静かに瞳を閉じたなら、大きく、深く、彼女と一緒に息を吸って吐いて。
風の匂い、土の匂い、ちょっとしつこいカレーの匂い。
それからそれからもう一つ、いつも傍に居てくれる大切な香りと温もりにも包まれて、こっくりこっくり船を漕ぐ。
行き先はきっと星の海。夢でも一緒だといいね…・・なんて、うっそー♪
夢の中でまで振り回されちゃ堪らないって!
――でもね、だけどね、そうは言っても。
たまにこんな夜があること自体はいいんじゃない?
なんだかんだ、それも一つのライフスタイルだと茜ちゃん的には思うのだ。
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