7: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/05/17(木) 12:30:36.64 ID:Fypyj9yR0
===
それから時間はさらに経って。
車から持って来たピクニックシートに腰を下ろし、
麗花ちゃんと二人、並んで見上げる星の海。
時計も零時を回る頃には夜風もすっかり冷たくなってたから、
用意しておいたブランケットだけじゃ心許ないのも本音だった。
「ねぇ茜ちゃん。寒くなって来ちゃったから、ぎゅーってくっついちゃってもいい?」
そんな時、不意に出されたこの提案。
普段はお構いなしで抱き着いて来るのに一体全体どうしちゃったの?
なんて思わなかったと言えば嘘になるね。
でも茜ちゃんだって鬼じゃないし、なにより心が広いから。
「うん、いいよ」
「ん、ありがとう」
麗花ちゃんがシートの上をもぞもぞ這って近づいて来る。
こっちの後ろに回ったら、そのまま茜ちゃんのことを抱きかかえるようにハグしてくる。
むぎゅ……っと、背中で感じる彼女の熱、重み、柔らかさ。
続いて小さな麗花ちゃんの頭が肩の上にちょこんと乗っけられて。
「……茜ちゃん、あったかいね」
星空の下で抱きしめられ、すぐ耳元じゃ美女の囁き。
まるで絵に描いたようなワンシーン。
おお、なんともまぁロマンチック♪ ――なーんて嘘ウソ! 茜ちゃんは健全ノーマルなおにゃのこです。
麗花ちゃんから甘えられるようにハグされてもドキドキなんてするワケ無いし、
そもそも麗花ちゃんカレー臭い。ガム一枚じゃ足りなかったよ。ムードもへったくれもあったもんじゃない。
13Res/9.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20