6: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/05/17(木) 12:28:43.25 ID:Fypyj9yR0
それでもさぁ、麗花ちゃんさ。
そんな風にじぃっと見つめるんじゃなくて、ウキウキしながら耳を澄ませるんじゃなくて、
もっと分かりやすい伝え方ってのがあるんじゃないの?
もっとこうね、人類同士お手軽なの。
正直、茜ちゃんじゃないと見逃しちゃうと思うんだな。分かり辛いアナタのサイン。
「……はい、はい。ハイハーイ! こちら銀河に輝く茜ちゃん星、
ちょーっと距離が空いてたから、ちょーっと返事をするのが遅れちゃった。声、ちゃんと届いてるよー」
「ああ良かった! じゃあじゃあ茜ちゃん星さんに質問です。今、なにか面白いことをやってますかー?」
「ザザ、ザー。キュイーン……えーっと、その、今は星を見てる人を見ています。
次に何をするかが分かんなくて、見ていてずっと飽きませんね」
「へぇー。そんな面白い人がいるなら私も一緒に見てみたいな。何処です?」
「ジッジジジ……。うーん、その位置からじゃキョロキョロしても見えないかな。
……っていうか、ちょっと、待って待って! 麗花ちゃんウロウロするのストップ!」
「あ、そっか。動いたら折角の交信が途切れちゃいますもんね♪ ……ピピッ、ガガガガ、ザザザザーぶちんっ!」
「って、おおーいっ! 折角繋がってたのに切っちゃうワケ!?」
でも、心と心は繋がってる。だって二人ともこんなに笑顔なんだもん。
――ひとしきり麗花ちゃんと笑った後、星を眺めながらラーメンの残りをお腹に入れた。
麺はすっかり伸びちゃってて、食感も悪くなってたけど。
「茜ちゃん茜ちゃん、私、大発見しちゃったかも!」
「なに?」
「ラーメンって伸びると美味しくない」
「奇遇だね。ちょうど茜ちゃんもおんなじ気持ちになってたトコ」
不思議なことに、美味しくなくても嬉しいのだ。ラーメンはやはり偉大だった。
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