【バンドリ】湊友希那「バンドやらない?」美竹蘭「……は?」
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21:名無しNIPPER[sage]
2018/05/14(月) 09:00:25.37 ID:EZCEfSpa0

蘭(いつもと違う場所に身を置いた日々が過ぎていく)

蘭(ライブの日程も決まり、あたしはアフターグロウのみんなにそれを伝えた)

蘭(みんな即答で『絶対に行くよ』と言ってくれた。ひまりに至っては「蘭の勇姿を動画に収めよう! 永久保存版だよ!」とまで言い出したからそれは止めておいた)

蘭(臨時バンドの方も、予定が合う日はスタジオで音を合わせ、曲も段々と完成に近づいていった)

蘭(そんな中、湊さんが『うっかり忘れていたけど、対バンで勝ったらもう1曲演奏する必要があるから曲を増やすわよ』なんてしれっとのたまったのはライブの1週間前のことだった)

蘭(それに少し呆れた。もうちょっとまともな嘘でもつけばいいのに、と)

蘭(今回の対バンのルールを決めたのは湊さんだ。だから最初から2曲演奏する必要があることなんて忘れるはずもない)

蘭(最初から2曲を練習するあたしたちと急にライブのことを伝えられて練習時間が限られてしまう花女のバンド。多分それが不公平だと思って――紗夜さんと正々堂々とぶつかりたくて、そんな風にしらばっくれた言葉を澄ました顔で吐き出したんだろう)

蘭(……まぁ、それがすごく湊さんらしいとは思うけど)

蘭(ともあれ、この羽丘の臨時バンドでもう1つ曲を練習することになった。その曲はリサさんが決めてくれた)

蘭(こちらもアコースティックギターが必要な曲で、しっとりとした曲調のものだった。そちらも並行して練習を重ねていった)

蘭(そんな日々の中で見上げる夕焼け空は、いつも通りで、でもやっぱりいつもと少し違って見えた)

蘭(それに感じる違和感だとか、そういうものは依然として胸の内にある)

蘭(だけどその存在を唾棄すべきものだとは思わない。いつだって、どこだって、いつも通りにあたしはいるだけだ)

蘭(だから今は歌えればいい。あたしが毎年抱える春の憂鬱を消してくれるみんなに向かって)

蘭(ただ、今度のライブで歌うのはあたしの言葉ではない。いわば借り物の言葉だ)

蘭(……いつかはあたしの気持ちを全部、自分の言葉でまっすぐに伝えられればいいな、なんて少し思う)


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