【バンドリ】湊友希那「バンドやらない?」美竹蘭「……は?」
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18:名無しNIPPER[sage]
2018/05/14(月) 08:57:35.24 ID:EZCEfSpa0

薫「どうかしたかい?」

蘭「え……?」

薫「何か悩みを抱えているような、そんな儚い顔をしているよ」

薫「蘭ちゃんには笑顔でいてもらいたいからね……もしも悩みがあるのなら、私に聞かせてくれないかい? 話すだけでも楽になる気持ちだってあるさ」

蘭「いえ、別に……」

蘭(隣を歩く瀬田先輩から歯の浮くようなセリフを投げられる。……正直、この人は少し苦手だ)

蘭(ただ、共にステージに立った巴から話は聞いている。少し変わった人ではあるけれど、とてもいい人だという話は)

薫「そうかい? では、私から1つの言葉を送らせてくれないかい?」

蘭「はぁ」

薫「『物事によいも悪いもない。考え方によって良くも悪くもなる』 ……シェイクスピアの言葉だよ」

蘭(あたしの曖昧な返事を肯定と取ったのか、瀬田先輩はまるで舞台役者のような大仰な身振りで言葉を放つ。……いや、もともとこの人は演劇部の役者か)

蘭(その身振りも板について似合っている。気取ったセリフも、まるで物語の一節を読んでいるかのようにすんなりと、地に足のつかない変な気持ちのあたしの耳に入ってくる)

蘭「どういうことですか?」

薫「まぁ……つまり……そういうことだよ」

蘭(あたしからの言葉に瀬田先輩は気障な笑顔を浮かべて答える。いまいち要領を得ない言葉だった。その様子がおかしくて少し笑ってしまう)

蘭「……瀬田先輩はどうしてリサさんの誘いに乗ったんですか?」

蘭(それにほだされた、という訳ではないけど、あたしは何となく思ったことを口にした。その言葉を聞いた薫さんは少し不思議そうな顔をして口を開く)

薫「『どうして』と言われてもね……。自分の目の前に困っている人がいて、それを助けたいと思う。それに何か特別な理由が必要かい?」

蘭「…………」

蘭(あまりにもシンプルな答えに虚を突かれた思いがした。なんてまっすぐな言葉を真顔で放つんだろうか、この人は)

薫「それでも君が理由を欲するというなら……そうだね。私たちハローハッピーワールドは世界を笑顔にするバンドだからさ」

薫「ふふ、いつ言葉にしても素晴らしい思想だ。こころと出会えたこと、そしてハローハッピーワールドのメンバーと出会えたことはまさに運命だよ。ああ、儚い……」

蘭(その言葉を聞いて思う。きっとそれが……困っている人がいるなら助けて笑顔にしたいっていうのが、瀬田先輩にとっての『いつも通り』なんだと)

蘭(あたしたちが夕陽を見て思うことと同じ。そう考えると納得できた)



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