【バンドリ】湊友希那「バンドやらない?」美竹蘭「……は?」
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16:名無しNIPPER[sage]
2018/05/14(月) 08:55:56.80 ID:EZCEfSpa0

友希那「本当に凡ミスとしか言いようがないミスばかりしていたわ」

蘭「…………」

蘭(その指摘は至極真っ当だろう。真っ当だからこそ、その言葉を聞いて心が少しささくれ立つ。それを悟られまいとあたしはそっぽを向いた)

友希那「そんなに怖い顔をしないでほしいわね。別に咎めている訳じゃないわよ」

蘭(しかし湊さんはそれも見透かしたような口ぶりだ。憮然とした気持ちの逃げ場に先回りされたような気分だ)

蘭「……そうですか」

友希那「ええ」

蘭「…………」

友希那「…………」

蘭(それから少しだけ、あたしたちの間に無言の空気が流れる。湊さんは何を言いたいんだろうか。考えてから、再び彼女の顔を見る)

蘭(どこか挑戦的な目でいつもあたしを射抜くその瞳には、今は柔らかいものが混じっていた)

友希那「あなたの思うように弾けばいいし、歌えばいい」

蘭「え?」

友希那「らしくない、と言ったわよね。あなたはいつものように、アフターグロウで歌うようにすればいい」

蘭「……どういう意味ですか」

友希那「そのままの意味よ」

蘭(湊さんはそう言うと顔に穏やかな笑みをたたえる。その優しげな表情が何故だかあたしの癪に障る)

友希那「このバンドの主役はあなただと言ったでしょう? あなたが周りに合わせるんじゃなくて、あなたに周りが合わせるわ」

友希那「後輩は後輩らしく、素直に甘えればいいのよ」

蘭「なんですか、それ」

友希那「私の方があなたよりも先輩だということよ」

蘭(湊さんは席を立つ。言いたいことは全部言った、とでも言いたげな顔で)

蘭「…………」

蘭(あたしはそれを見て思う。やっぱり自分は子供だと。湊さんの優しさに反発を覚えて、この人だってあたしよりも年上なんだって分かってるけど認めたくなくて……だから絶対に、自分の音で見返してやりたいって思う)

蘭(……なるほど、確かにそれが正解なのかもしれなかった)

蘭「……ありがとうございます」

友希那「何か言ったかしら?」

蘭「湊さんに優しくされると調子が狂うって言ったんです」

友希那「そう。それは悪いことをしたわね」

蘭(小さなお礼と憎まれ口。両方ともあたしの本当の気持ちだった。それを聞いた湊さんは少し笑って、さっさとCiRCLEの中へと戻っていく)

蘭(その後ろ姿を見届けてから、もう1度頭の中を整理する。あたしはどう歌うのが正解だろうか)

蘭(……改めてみると考えるまででもなかった)

蘭「らしくない、か。確かにそうだ」

蘭(呟いて席を立つ。胸中に抱えていた重みが軽くなっているような気がした)


……………………



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