【バンドリ】湊友希那「バンドやらない?」美竹蘭「……は?」
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15:名無しNIPPER[sage]
2018/05/14(月) 08:55:08.72 ID:EZCEfSpa0

蘭(アフターグロウのみんなの顔が頭にちらつく。モカが隣にいたらどうするだろう。ひまりとつぐみならどう合わせるだろう。巴なら今の音になんて感想を抱くだろう)

蘭(頭によぎる思考はこの場では意味のないものばかり。アフターグロウの音を引きずっているのが分かる。今の音をどうにも受け入れられない。あたしの音とみなさんの音が噛み合わない)

蘭(どの音を軸にすればいいのか。何度も音を合わせていく度にどんどんそれが分からなくなっているような気さえしてきた)

蘭(そのせいで小さなミスも増える)

蘭(手探りで正解を探るけど、どうにも答えにはたどり着けそうにない。それに苛立ちを感じ始めたところで、リサさんの『少し休憩にしよっか』という声がスタジオに響いた)

蘭「……はぁ……」

蘭(あたしはみなさんに一声かけてカフェテリアにまで足を運ぶ。そして空いている席に腰を下ろして重いため息を吐く)

蘭(外の空気を吸えば少しは気持ちが切り替えられるんじゃないか)

蘭(そう思っていたけど、どうだろうか。麗らかな陽気に青々と晴れ渡る空がより一層春だということをあたしに伝えてくる)

蘭(胸中の重たい感情がその陽射しにさらされて、やたら鮮明になるだけだった)

蘭「何やってんだろ、あたし……」

蘭(呟く声は小鳥のさえずりにかき消されるほど頼りない)

蘭(……いつも通りではない音の違和感を消化できない。誰の音を頼って歌えばいいかがまったく分からなくなってしまった)

蘭(それだけあたしがアフターグロウの音を引きずっているということで、みなさんの足を引っ張ってしまっているのを自覚できる)

蘭(ボーカルがそんな迷子の子猫のようになっているんだ。足並みなんて揃うはずがない)

蘭(憎らしい快晴の青空を見上げて思う。あたしはこのバンドで、どう弾いてどう歌うのが正解なんだろうか)

友希那「らしくないわね、美竹さん」

蘭「湊さん……」

蘭(それを整理しようとして余計に散らかり始めた思考が現実に引き戻される。視線を落とすと、いつの間にか湊さんがあたしの対面の席に座っていた)



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